
ホワイト・フェミニズムを解体する
インターセクショナル・フェミニズムによる対抗史
著者|カイラ・シュラー (著), 飯野 由里子 (監修), 川副 智子 (翻訳)
出版社|明石書店
ISBN|9784750354835
白人女性によるホワイト・フェミニズムの陰で抑圧されてきたインターセクショナルフェミニスト達の立ち位置を紹介し、合わせて両者の議論を整理する。
現在のフェミニズムの場所を理解し、思想史の編み直しを企図するために必読の書。
・誠品選書2023年3月
【概要】
中流以上の白人女性を主たる対象としたホワイト・フェミニズムの陰で、有色人種やトランスジェンダーなどのインターセクショナル・フェミニストが既存の社会構造に連帯して立ち向かうことを提唱してきた。本書では、両者の議論を取り上げてフェミニズムの思想史を捉え直す。
【目次】
フェミニストの断層線
第1部 文明化(女性の権利とは白人の権利なのか?;白人の同情対黒人の自己決定;入植者の母親と先住民の孤児)
第2部 浄化(優良な国家を産む;フェミニズムを路上へ;TERFの門番とトランス・フェミニストの地平)
第3部 最適化(リーン・インか連携か)
結論 ふたつのフェミニズム、ひとつの未来
【著者】
カイラ・シュラー(Kyla Schuller)(著者)
ラトガーズ大学ニューブランズウィック校女性・ジェンダー・セクシュアリティ研究科准教授。スタンフォード大学人文科学センターおよびアメリカ諸学会評議員会より特別研究員奨励費を受けた。北米、ヨーロッパ各地で講演をおこなっている。《ネイション》誌で特集が組まれたほか、《ランパス》、《ロサンゼルス・レビュー・オブ・ブックス》、《アヴィッドリー》などの雑誌にも寄稿している。著書に『The Biopolitics of Feeling: Race, Sex, and Science in the Nineteenth Century』(Duke University Press、2018年)がある。
飯野 由里子(いいの・ゆりこ)(監訳者)
東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任准教授。一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員。専門はフェミニズム・ディスアビリティ研究。主な著書に『レズビアンである〈わたしたち〉のストーリー』(生活書院、2008年)、『合理的配慮:対話を開く 対話が拓く』(有斐閣、2016年;共著)、『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』(生活書院、2022年;共著)、『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』(有斐閣、2022年;共著)などがある。
川副 智子(かわぞえ・ともこ)(訳者)
早稲田大学文学部卒業。翻訳家。訳書に『西太后秘録』(講談社)、『紙の世界史』(徳間書店)、『ナポレオンを咬んだパグ、死を嘆く猫』(原書房)、『ビール・ストリートの恋人たち』(早川書房)、『SMALL GREAT THINGS 小さくても偉大なこと』(ポプラ社)、『皮肉な終幕』(扶桑社)など。
【製品情報】
ISBN|9784750354835
出版社|明石書店
発行年月|2023年01月
サイズ(cm)|四六判
装丁|ハードカバー
ページ数|400
言語|日本語
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【誠品選書】
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