
講義 アメリカの思想と文学
分断を乗り越える「声」を聴く
著者|白岩 英樹(著/文)
出版社|白水社
ISBN|9784560094846
人はいかに生きるべきかを問い続けることが人文学であるというテーマから出発し、アメリカ文学の重要な作家とその思想を紐解きながら、それらの多様な「声」を自らに取り込んでいくことを教える。
高知県立大学文化学部「米文化・文学論」の書籍化。
・誠品選書2023年4月
【概要】
もう一度、生き直すために
人文学は役に立たないと言われて久しい。一方、それぞれの分野では、複雑化と専門化が進行して、一般の読者との距離は開くばかりだ。
私たちはなぜ学ぶのか? そして、どう生きていくのか?
いつしか人文学の現場で問われなくなった問いかけに本書は立ち返る。それは単なるアウトリーチや学問の社会的還元ではない。むしろ、学ぶことの本質に関わる。
本書は、高知県立大学文化学部で開講している「米文化・文学論」を書籍化したものである。
思想や文学の根本問題は「自分自身がどう生きるか」にある――ここから本書では、アメリカの「声」に耳をすませる。
フランクリン、トマス・ペイン、エマソン、ソロー、ホイットマン、そしてアンダーソン。彼らの声に耳をすませることで、自分の内側にも反響する声を聴き取り、そこから意識的に自身の「ネイチャー(自然・本性)」に基づいた生き方を探っていく。
人間の成熟は、自分の内側にたくさんの人の生、たくさんの人の声を取り込んでいくことであり、多くの声を「聴く」ことで、「いま・ここ」とは別のアナザー・ポシビリティの可能性が見えてくる。
【目次】
第1講 はじめに
第2講 ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin, 1706-90)
第3講 ラルフ・ウォルドー・エマソン(Ralph Waldo Emerson, 1803-82)
第4講 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau, 1817-62)
第5講 ウォルト・ホイットマン(Walt Whitman, 1819-92)
第6講 シャーウッド・アンダーソン(Sherwood Anderson, 1876-1941)
第7講 伊藤比呂美(1955-)
補講 「手」シャーウッド・アンダーソンン
あとがき/年譜/索引
【著者】
白岩 英樹 (シライワ ヒデキ) (著/文)
1976年、福島県生まれ。早稲田大学卒業後、AP通信を経て、大阪芸術大学大学院で博士号を取得。現在、高知県立大学文化学部准教授。著書に『シャーウッド・アンダーソン論』(作品社)、『ユニバーサル文学談義』(共著、作品社)、訳書に『シャーウッド・アンダーソン全詩集』(作品社)。
【製品情報】
ISBN|9784560094846
出版社|白水社
発売日|2023年3月2日
サイズ(cm)|四六判
ページ数|202
言語|日本語
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【誠品選書】
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