
岡潔の教育論
著者|中沢新一(著/文 | 編集)岡潔(著/文)森本弘(著/文)
出版社|コトニ社
ISBN|9784910108100
岡潔の教育エッセイと、岡潔・森本弘との対話の記録をまとめたもの。論理と情緒を融合させることで、人と人とをつなぐより良い社会が作られるはずという岡の教育論は、半世紀前のものでありながら、効率ばかりが重視される現代にも有効ではないか。
・誠品選書2023年4月
【概要】
「教育はどうすればよいのだろう」
暗記と論理の偏重、効率主義と個人主義を超えてーー
世界的数学者がとく、「自然」にそくした「正しい心」の育て方、その「論理」と「直観」を統合する考え方と実践がここによみがえる!!
【中沢新一「はじめに」より】
《『岡潔の教育論』は、岡潔の教育に関するエッセイと、岡潔と森本弘が五十年ほど前に、阿吽の呼吸で繰り広げた教育をめぐる問答の記録を、一冊にまとめたものです。(…)森本弘さんは、地元和歌山で小学校の先生をされていた方です。教育の現場で成長していく子供のこころを長きにわたって見つめ続けていた人です。(…)岡潔と数学が出会って現代数学に新しい世界が開かれたように、森本弘と岡潔が出会って新しい教育の理念がつくられたように、この本が多くの人のこころに届いて、そこから新しいものの考え方や感じ方や未来への指針が生まれてくることを、私たちは願ってやみません。》
【目次】
はじめに(中沢新一)
第1章 小学校以前ーー教育はどうすればよいのだろう1(岡潔)
第2章 情緒の教育ーー教育はどうすればよいのだろう2(岡潔)
第3章 知性と意志の教育ーー教育はどうすればよいのだろう3(岡潔)
第4章 教育に東洋の秋をーー構造学習と大脳生理の一思案(森本弘)
解説(中沢新一)
解説 情緒と微笑(唐澤太輔)
【著者】
中沢新一 (ナカザワシンイチ) (著/文 | 編集)
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。京都大学特任教授、秋田公立美術大学客員教授。人類学者。著書に『増補改訂 アースダイバー』(桑原武夫賞)、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数。
岡潔 (オカキヨシ) (著/文)
1901年生まれ。三高をへて、京都帝国大学理学部卒業。多変数解析函数の世界的権威者。理学博士。奈良女子大名誉教授。学士院賞・朝日文化賞・文化勲章。仏教・文学にも造詣が深く、『春宵十話』『風蘭』『紫の火花』『月影』『日本民族の危機』などの随想も執筆。晩年は教育に力を注いだ。
森本弘 (モリモトヒロム) (著/文)
1911年生まれ。和歌山県内の小・中学校の校長を経て、橋本市教育委員会教育長を務める。晩年の岡潔と親交が深く、岡から学んだ「情緒教育」を実際の教育現場で実践しつづけた稀有な教育者。
【製品情報】
ISBN|9784910108100
出版社|コトニ社
発売日|2023年3月7日
サイズ(cm)|四六判
ページ数|272
装丁|並製
言語|日本語
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【誠品選書】
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