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招かれた天敵【誠品選書】

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招かれた天敵 著者|千葉聡(著/文) 出版社|みすず書房 ISBN|9784622095965 生態系のバランスが崩れているのは、自然や生物が人間にもたらす問題を、科学の力で解決しようと試みてきた結果だ。 「害ある生物」と闘う有益な生物のはずが、無害な自然と生物をも駆逐する。人類の失敗から生物多様性の未来を考えていこう。 ・誠品選書2023年5月 【概要】 『歌うカタツムリ』(毎日出版文化賞)などの著作で筆力に定評ある進化生物学者が、強力な「天敵」としての外来生物の研究史を通して、計り知れない複雑さをはらむ「自然」と、そこに介入せずには済まない人間と科学の業を描く。 外来の天敵種は有害生物を制圧する救世主となりうる一方で、ときに最強の侵入者にもなりうる。それでも、生物多様性が秘める可能性に魅了された多くの生物研究者たちが、自ら「夢の」天敵種と信じる外来生物を招いてきた。本書が語るのは、そうした天敵導入をめぐる知的冒険、成功、そして、壊滅的な失敗の歴史だ。 またその歴史は、産業革命の時代からグローバリゼーションの時代まで、時々の社会が奉じてきた自然観の驚くべき変転を映しだす鏡でもある。著者は、長く信じられてきた「自然のバランス」の実像や、生態系メカニズムの今日的な理解へと、読者を慎重に導いていく。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に敬意を払いつつ、その自然観をアップデートする書でもある。 終盤では、著者自身が小笠原の父島で経験した、ある天敵との死闘が語られる。生物多様性の魅惑と生態学の醍醐味が詰まった、渾身の書き下ろし。 【目次】 はじめに 第一章 救世主と悪魔 夢の薬 / 自然のバランスを取り戻せ / 夢の天敵 / 赤い寄生蜂 第二章 バックランド氏の夢 外来生物 / 世界を支配するものは何か / 創造主の慈悲と夢の食材 / 豚か仔牛のようで、キジのような風味がある / 素晴らしい未来のために善を為せ 第三章 ワイルド・ガーデン 帝国の恵み / グレイヴタイ・マナーの領主 / 自然な庭園 / 赤い雑草 / 侵略の生態学 第四章 夢よふたたび 金の時計とダイヤモンドのイヤリング / 不毛な大地 / これを「自然のバランス」と呼ぶ / あれこれ考えるより、まず行動 第五章 棘のある果実 ブリスベンでの出会い / 赤い染料 / サボテン旅行委員会 / 謎の蛾 / 最初の一撃 / 赤い大群 第六章 サトウキビ畑で捕まえて 旅する昆虫学者 / 葉の上を跳ぶもの / 少しでも多く獲れ / グレイバックの災い / 海を渡ったカエルたち 第七章 ワシントンの桜 旅の始まり / 異国の旅 / 悲しい成功 / 友好の証 / 退く天敵 / 高まる敵意 / 危機を未然に防ぐとヒーローになれない / 大義の前に情を捨て 第八章 自然のバランス 分類学なくして防除なし / 密度依存 / 動物集団のバランス / 自然のバランス論争 / 自然はたいてい複雑である 第九章 意図せざる結果 理論か実用か / 光と陰 / 諸刃の剣 / 反自然的行為はもうやめなければならない / パラダイムシフト / 天敵には天敵を / 前車の覆るは後車の戒め 第一〇章 薔薇色の天敵 カタツムリの悪夢 / 戦いの始まり / 病気より悪い治療法 / 薔薇色の狼 / 楽園の行方 第一一章 見えない天敵 群島にて / 賑やかな夜 / 見えない捕食者 / 防除の行方 / もうひとつの道 / 封印の解き方 謝辞 参考文献 索引 【著者】 千葉聡 (チバサトシ) (著/文) (ちば・さとし) 東北大学東北アジア研究センター教授、東北大学大学院生命科学研究科教授(兼任)。1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。静岡大学助手、東北大学准教授などを経て現職。専門は進化生物学と生態学。著書『歌うカタツムリ──進化とらせんの物語』(岩波科学ライブラリー、2017)で第71回毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞。ほかに、『進化のからくり──現代のダーウィンたちの物語』(講談社ブルーバックス、2020)、『生物多様性と生態学──遺伝子・種・生態系』(共著、朝倉書店、2012)などの著作がある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 【書評掲載情報】 2023-04-15 毎日新聞 朝刊 評者: 養老孟司(解剖学者) 2023-04-15 日本経済新聞 朝刊 評者: 三中信宏(進化生物学者) 【製品情報】 ISBN|9784622095965 出版社|みすず書房 発売日|2023年3月14日 サイズ(cm)|四六変型判 ページ数|464 重さ|460g 言語|日本語 ※店頭受け取り、オンライン売り切れ商品等のお問い合わせはお電話にて承ります。<03-6225-2871> 【誠品選書】 台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。 1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。 2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。

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